表記法について

サネカズです。さっそく沖縄語池袋方言の表記法について書いていこうと思います。

 

また、一応、以下の表記法を「沖縄語池袋表記法」と名付けておきます。

 

注意として、この表記法は実際に沖縄で使用されているものとは(おそらく)異なります。あくまで「沖縄語池袋方言」で使用している表記法であるということをご了承ください。

 

沖縄語で使用される音

まず前提として、沖縄語の発音には、大和語(いわゆる日本標準語)にはない発音があります。

 

それが、「声門閉鎖音」です。

 

沖縄語辞典(http://doi.org/10.15084/00002266)では"ʔ"で表記されている子音です。

 

どんな音かというと、

 

ちょっと小さく咳(コホン/ん゛ん)してみてください。

 

多分、その咳の音って喉から出てませんか?

 

その音です。

 

その他の音については、僅かな違いを除けば、大和語でも使われている音になっております。

 

仮名遣いについて

沖縄語池袋表記法では漢字かな交じり表記を採用します。その際の仮名遣いについては、以下のルールに基づきます。

 

  1. 『っ』以外の仮名は、〈大文字(+小文字)(+小文字)〉の形で1拍を表す。
  2. 発音に対応する仮名が大和語の仮名に存在すれば、それを用いる。
  3. 小文字を付け加えることで、子音部はそのままに仮名の母音部の発音を変更する。
  4. 声門閉鎖音は、濁点(゛)により表現する。

このルールをもとに、以下の仮名を用います。

 

  あ段 い段 う段 え段 お段
ア行
ア゛行 あ゛ い゛ う゛ え゛ お゛
カ行
クヮ行 くゎ くぅぃ - くぅぇ -
ガ行
グヮ行 ぐゎ ぐぅぃ - ぐぅぇ -
サ行 しぇ
ジャ行 じゃ じゅ じぇ じょ
タ行 てぃ とぅ
チャ行 ちゃ ちゅ ちぇ ちょ
ダ行 でぃ どぅ
ナ行
ニャ行 にゃ - にゅ - -
ハ行
ファ行 ふぁ ふぃ - ふぇ -
ヒャ行 ひゃ - ひゅ - ひょ
バ行
ビャ行 びゃ - びゅ - びょ
パ行
ピャ行 ぴゃ - ぴゅ - -
マ行
ミャ行 みゃ - みゅ - みょ
ヤ行 - -
ヤ゛行 や゛ - ゆ゛ - よ゛
ラ行
ワ行 うぃ - うぇ -
ワ゛行 わ゛ う゛ぃ - う゛ぇ -

 

"-"は、その発音が通常は使われない*1ことを示しております。上の表に加え、さらに5種の仮名を使用します。

 

ん゛ ん゜ ー(伸ばし棒)

 

ここで、『ん゜』は、「ほ」の子音[h]に加えて「ん」を発音する文字です(ただし、使用頻度は極めて低いです)。

 

上の表では平仮名しか載せていませんが、もちろん片仮名も使用します。

 

見栄えの関係上、「゛」の代わりに「"」などを用いても大丈夫です。

 

漢字かな交じり表記について

上でも述べましたが、沖縄語池袋表記法では漢字かな交じり表記を採用します。その際の基本原則は以下の通りです。(もちろん、原則から外れた表記法をしてもかまいません。)

 

  1. 仮名は平仮名を使用するが、外来語の表現の場合や、平仮名ばかりで読みにくい場合は、片仮名を使用する。
  2. 分かち書きはしない。
  3. 外来語を除き、なるべく伸ばし棒は使用しない。(大和語「です」→沖縄語『やいびいん』)
  4. 大和語において対応する語がすぐに見つかる場合、同様に表記する。(大和語「書く」→沖縄語『書ちゅん』)
  5. 大和語において対応する語が見つからない場合、かな表記するか、意味で字をあてる。
  6. 漢字の読みを明示したい場合、振り仮名をつけるか、漢字部の右に"[~]"で表記する。(『書[か]ちゅん』、『沖縄口[う゛ちなあぐち]』)
  7. 漢字に振り仮名や"[~]"を使用しない場合、小文字により漢字部の終わりの母音を示すことができる。(『笑[われ]え』→『笑ぇえ』)

 

……とりあえずこんなところでしょうか?

 

また追加することがあれば付け加えていくと思います。

 

それでは、今回はこのあたりで失礼しますね。

 

(メインページへ)

realnumber-sanekazu.hatenablog.com

*1:沖縄語辞典(http://doi.org/10.15084/00002266)より